用語集 dictionary

固有受容覚

感覚統合療法で大切にしている3つの感覚“触覚”“前庭覚”“固有受容覚”の中から“固有受容覚”について紹介したいと思います。

 

“固有受容覚”と聞いてイメージできる方は少ないと思います。簡単に言うと、身体の関節の動きや力加減を知らせてくれる感覚です。例えば、「目を瞑った状態で腕を肩の高さに挙げてください」と言われて、バンザイするほど腕を挙げてしまう人はあまりいないですよね。これは“固有受容覚”が肩の関節の位置情報を教えてくれているからなんです。

 

では簡単に固有受容覚についてお話ししたところで、ここからは固有受容覚の働きについて詳しく解説していきます。

一つ目の役割は「力を調節する役割」です。固有受容覚は筋肉からどのくらいの力を入れているかという情報を脳に伝えています。重いものを持つときはぎゅっと力を入れて、卵など割れやすい物を持つときは優しくといった力調整をする役割があります。この調整がうまくいかなければ、お友達を呼ぶために肩をトントンとしたい時にも強く叩いてしまうことが考えられます。

二つ目の役割は「運動を調整する役割」です。例えば丁寧に作業をしたい時、私たちはゆっくりとした動きになると思います。このようなゆっくりとした動きができるのは、固有受容覚が力の加減や身体の位置の情報を脳に伝えてくれているからです。この調整がうまくいかないと身体の使い方や指先が不器用になってしまうことが考えられます。

大きくはこの2つですが、触覚や前庭覚の解説でもでてきた、「自分の姿勢を保つ役割」「自分の身体の認識を高める役割」「バランス能力」にも影響しています。

 

以上が“固有受容覚”についての解説になります。少し難しい内容になってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございます。