用語集 dictionary

自閉症スペクトラム(ASD)

「ASD」は ”Autism Spectrum Disorder (Disability)” の略で、日本語では「自閉症スペクトラム」と訳します。自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群といった呼び方をされることもあります。主に問診や心理検査などを通して診断されます。
ASD の人は、社会的なコミュニケーションや他の人とのやりとりが上手く出来ない、興味や活動が偏るといった特徴を持っていて、学校や職場など社会の様々な場面で人とのコミュニケーションや関わりに難しさが生じることが多くあります。また興味や関心が狭い範囲に限られやすく、独特のこだわり行動や振る舞いが見られることもあります。
他にも五感などの感覚が人よりとても敏感に感じたり、逆にほとんど感じない分野がある人もいます。このような特性は人によってどの特徴が強く出るか、またどの程度の強さなのかもまちまちです。
全く同じタイプの人は二人といないと言ってもよいでしょう。

ASDの支援方法としては、周囲の方々が特性への理解をすることが必要です。ご本人の様子にもよりますが、幼少期には療育活動への参加、就学後は個別支援を行うことがあります。成人でも、本人のストレスを軽減するための環境調整、ソーシャルスキルトレーニング等による対人関係スキルの獲得を通じて、本人の状態の改善を目指します。しかし異常が認められる場合には、二次性の精神障害に対して薬物療法を行うことがあります。

またASDは大人になり求められる行動基準が高くなってから初めて困難さが明らかになることもあります。近年、自閉スペクトラム症の人は約100人に1人いると報告されており、感情や認知といった部分に関与する脳の異常だと考えられています。